まず、家出の原因にはどのようなものがあるのか、以下のグラフをもとに考えてみたいと思います。
原因 | 人数 | 構成比 | |
---|---|---|---|
家庭 | 16,369 | 20.2% | |
疾病 | 16,498 | 20.3% | |
うち認知症 | 10,783 | 13.3% | |
事業・職業 | 8,729 | 10.8% | |
異性 | 1,824 | 2.2% | |
学業 | 2,014 | 2.5% | |
犯罪 | 612 | 0.8% | |
その他 | 20,889 | 25.7% | |
不詳 | 14,258 | 17.6% | |
合計 | 81,193 | 100% |
この資料は、平成26年度中に警察に提出された行方不明者届の原因別の内訳をまとめたものです。
「その他」、「不詳」など原因がはっきりわかっていないものを除き、原因がはっきりわかっているものに関しては、「疾病関係」の16,498人で全体の20.3%と最も多く、次いで「家庭関係」の16369人で20.2%、以下、「事業・職業関係」、「学業関係」、「異性関係」、「犯罪関係」と続きます。
「疾病関係」の中には認知症が原因による件数も含まれていて、全体の13.3%と昨今の社会情勢を反映しているともいえます。
家出人探しをする上で、その動機となる原因をいち早く、できるだけ正確に把握することは初期の段階でとても重要です。
例えば、直前に夫婦喧嘩や親子喧嘩をしてしまったということであれば、比較的容易に原因というものはわかりますが、学業や疾病、異性関係ともなると人知れず、本人が一人で悩んでいるということも多く、周囲がなかなか気づかなかったということもよくあることです。
疾病や学業などが原因だった場合、あってほしくはありませんが、最悪は自殺ということも考えなくてはならず、すぐに警察に相談する必要があります。
このように、原因によっては命に関わる緊急性を要するものもありますので、家出人探しにおいてはまず、何が原因かを把握するとともに、もし原因がわからないという場合には、とりあえず警察に相談し、行方不明者届を出した方がいいかもしれません。
さらに、原因を的確に把握することは、その後の足取りや探し方を検討する上でとても重要です。
まったく原因がわからないという状況で闇雲に探し回っても見当違いのところを探していたなど、時間と労力の無駄になってしまいます。
例えば、異性関係が原因だとわかれば、交際相手の居所を調べることにより、間接的にそこに身を寄せている家出人が見つかるということもありますが、もし異性が原因かどうかわからなければ、交際相手の存在には気づかずじまいになってしまうかもしれません。、
もちろん、原因はいろいろで、本人にしかわからず、見つかった後、本人から聞いて初めてわかるということも多いものですが、残された状況からできるだけ推測していくことが重要です。