家出人が成人で自らの意思で出たようなケースでは、警察による積極的な捜索活動はあまり望めず、家族が主体となって探し出すことになります。
しかしそうはいっても、警察へ届出るメリットでも見てきましたように、届出ることによりさまざまなメリットがあります。
従って、残された家族自身が家出人探しを行う場合でも、まずは警察に届けておいた方がいいかと思います。
その届出のことを「行方不明者届」といい、所定の用紙に記入し警察に提出することからはじまります。
ここでは、行方不明者届はだれが出すことができ、どこに、どのような内容で提出すればいいか見ていきたいと思います。
届出ることができるのはどういった人か
家出人に関係するのであればだれでも届出を行えるというわけではなく、以下のような人物が行うことができます。
- 親権をもつ親、または後見人
- 妻、夫などの配偶者、内縁関係にある者、その他の親族
- 行方不明者を現に監護する者
- 福祉事務所の職員、その他福祉に関する事務に従事する者
- 同居人(同棲相手等)、雇用主、その他本人と社会生活において密接な関係を有する者
届出を行う場所
- 家出人の行方不明時の住所又は居所を管轄する警察署
- 家出人が行方不明になった場所を管轄する警察署
- 届出を行う者の住所若しくは居所を管轄する警察署
届出を行う際に用意しておくもの
- 本人の氏名、住所、年齢、性別、身体の特徴、その他特定に必要な事項
- 行方不明となった日時、場所及びその状況
- 原因、動機その他必要な事項
- 発見した時の警察の措置に関する届出人の意思
- 届出人の連絡先、印鑑、身分証など(事前に警察に確認)
その他にも、本人の写真などの用意や発見活動に必要と思われる情報はできるだけ事前に整理し、話した方がいいかと思います。
例えば、車でいなくなったのであれば、車のナンバーや車種など。
また、本人の写真を提出する際は、なるべく全身が映っているもので、できるだけ直近に撮影したものを用意した方がいいでしょう。
以上のような手続きは、状況によっては少し面倒に感じるかもしれませんが、家族自身で家出人探しを行う際に、後々役に立つことがあります。
例えば、家出人の立ち寄り先を探しに行くときや、就職先などがわかった時、その他さまざまな関係先への取材、聞き取りを行う際にも、個人情報保護という意識がこれだけ社会的にも浸透しているため、なかなか聞き出すことも難しくなってきています。
取材先が個人ではなく企業ということであればなおさらです。
そうした際にも、届出を行っておけば、取材先に警察へ事実確認をしてもらえば、納得して情報提供してくれる可能性も高まるかと思います。