一般的に家族の誰かが移転すれば、住民票を取得し確認すればその移転先の住所はすぐにわかります。
しかし、突発的な家出や失踪といった場合には、本人が住民票の転出転入手続きをしていることは少なく、どうせ取得しても無駄だろうと思われている方も多いかと思います。
また、家出の原因が借金等で債権者から逃げている場合など、住民票を異動すれば債権者に見つかってしまいますので、借金が原因の場合にもほぼ手続をしていないことの方が多いです。
ただ、家出直後に手続をしていなくても、その後、例えばアパート等の部屋を借りる際にも住民票は必要になりますし、きちんとした職場に就職する際にも住民票が必要になってきます。
また、国民健康保険証などの発行、更新などにおいても手続きを行っていないと受けれませんので、もともと持病のある家出人等の場合には手続きを行う可能性が高いです。
取得にかかる費用もわずかですし、市役所等に出向けばすぐに確認できますので、家族の家出人探しにおいては、まずは住民票を確認する方がいいでしょう。
もし異動が確認できなくてもその後異動する場合もありますので、ある程度間隔を置いて、定期的に取得するようにしましょう。
住民票の取得
家出人本人と同じ世帯の家族であれば、住所地を管轄する市役所および出張所等の窓口で請求できます。
一般的に費用は数百円で、身分証等の提示、印鑑等が必要になりますが、詳しくは請求先市役所に確認してください。
本人が元住んでいた住所から他の市区町村に転出した場合には、住民登録が抹消されますが、この抹消された住民票を「除票」といいます。
除票は5年間、その市役所に保管後廃棄されてしまいます。
従って、なるべく5年以内に取得する必要がありますし、もし5年経過していた場合は、以下の「戸籍の附票」を取得し確認することができます。
戸籍の附票の取得
家出人が独立による分籍や結婚等による除籍を行っておらず、家族と同じ戸籍に入ったままであれば、戸籍の附票(ふひょう)を取得する方法もあります。
附票には、家出人の全異動履歴が記載されており、住民票の転出転入届に連動しています。
従って、もし家出人が住民票を異動していれば、その履歴が附票に反映されています。
もし本人が複数回、転々と異動している場合には、住民票ですと次の移転先の市役所で住民票を取り、そこからさらに転出している場合はその移転先でまた住民票を取るというように手間がかかりますが、附票を取れば最新の住所を含め全履歴が確認できます。
戸籍も家族であれば請求できますが、請求先はその戸籍の本籍地を管轄する市役所等になります。
もし住んでいる住所と本籍地が離れている場合には、郵送での請求も可能です。
以上のように、住民票および戸籍の附票等を取れば、そこに登録されている移転先の住所は確認できますが、あくまで書類上登録されている住所というだけであって、必ずしも本人が実際に生活している住所であるということを証明するものではありません。
従いまして、実際に出向いて居住実態があるかどうかを確認する必要があるかと思います。
また、昨今、住民票等の不正取得等が問題になり、本人もしくは同世帯以外の第三者が入手する場合、本人通知制度により本人に取得したことがわかってしまう場合があります。
今のところ、すべての自治体で導入されているわけではないようですし、通知の仕方も事件等で不正取得が発覚すれば本人に通知する「告知型」とあらかじめ本人が制度を利用する旨登録していた場合に限り通知する「事前登録型」とがあり、必ずしも取得すれば本人にわかってしまうというものではないようです。
ただし、家族に見つからないように家出をしている場合には、こうした制度を利用している場合もあり、もし本人にわかってしまうと、さらにどこかに移転してしまうということもありますので、もし第三者が請求する場合には、請求先の自治体にそのあたりを確認したうえで、慎重に請求することも必要かと思います。