家族と言えどもそれぞれが異なった価値観を持った人間同士の集まりですので、価値観の相違によるトラブルもあったりします。
うちの家庭はうまくいっていると思っていても、まったく問題は無いと言い切れる家庭も少ないのではないでしょうか。
親子間であれば、親の教育方針や家庭環境に不満を持っていたり、子供はどうしても進みたい進路があるのに親がそれを許してくれないという場合や、家業を継ぎたくないなどの理由で家出に発展してしまう場合もあります。
事件や事故は別として、子供が未成年の場合には、突発的に家を出てしまうというケースも多く、考え直して戻ってくるということもあるでしょうし、交友関係の範囲も狭いため、友人宅などをあたればすぐに見つかるなど、いわゆるプチ家出と呼ばれるように比較的早期に解決することも多い傾向にあります。
しかし、不良グループと関わりがある場合には、犯罪に巻き込まれてしまうという事態もあり得ますし、女子の場合は売春等に関わってしまうなど重大な事態に発展してしまう可能性もありますので、まずは警察に届けることは言うまでもないかと思います。
また、ある程度目的をもって出た成人の家出人探しの場合、計画性もあるでしょうし長期にわたるケースも多く、残された手がかりから原因や目的を把握し、根気強く探していくことが求められます。
次に夫婦間の場合は、嫁姑関係で夫が味方してくれないという場合や、子供の教育方針の違い、夫の浮気などが原因で家出をしてしまうとうケースもあるようです。
しかし、こうした問題が原因の場合には、離婚という選択肢もありますし、喧嘩をきっかけとして突発的に家を出るということはあっても、考え直して数日で戻ってくるなど、これも比較的早期に解決する場合もあります。
深刻なのは、昨今、社会問題ともなっている夫の暴力などのドメスティックバイオレンス(DV)が原因の家出の場合です。
命の危険を感じ、緊急避難的に家を出るということもあるでしょうし、DVが日常的になっている場合には、計画的に家を出るということもあるでしょう。
現在ではいわゆるDV防止法というものがありますので、探し出そうとしてもシェルター等で一時保護されているケースもありますし、被害者に近づけないようにする保護命令というものもあります。
また、「住民基本台帳事務における支援措置制度」もあり、住民票などの異動先を調べるというわけにもいかず、探し出すのは非常に困難と言わざるを得ません。
DVが原因の家出の場合には、探し出そうとする前にやはりDVを行った方が自分の行いを見直し、原因となった問題を解決し、本人が戻れるような家庭環境を整える方が先ではないかと思います。