家出人が金銭的に余裕があればいいのですが、金銭的に余裕が無ければ家出中の生活費を得るために、仕事を探して働くことを考えることでしょう。
家出人が残していった手がかりから、例えば、求人情報誌で職を探していた形跡が見つかったり、パソコンの履歴から求人サイトのどの職種を探していたかなどがわかっていれば、それを元に勤務先が特定できるかもしれません。
しかし、そうした手がかりも無い場合には、ある程度推測を行い、特定された地域近辺において、就職が想定される職種や仕事先を重点的に探してみるのも一つの方法です。
特定された地域内のすべての業種をあたるということは不可能ですし、無駄も多くなってしまいます。
そこで、家出人探しにおいて、特定された地域で聞き込みを行う際には、ある程度業種などを絞り込んで行った方がいいかと思います。
ここでは、どういった職種や仕事を想定し、探していけばよいのかについて考えてみたいと思います。
以前に経験のある業種
一般的に転職を考える際には、以前に勤務していたことのある業種から求人を探す傾向にあります。
もちろん、心機一転、今までに経験したことのない仕事に就きたいと考える人もいると思いますし、仕事関係のトラブルが原因で家出したような場合では、同じような業種の仕事には就きたくないという場合もあるでしょう。
しかし、できるだけてっとり早く収入を得る必要がある家出中の身においては、やはりそれまでのキャリアを活かせる仕事に就く可能性も高いものと思われます。
家族であれば、家出人本人の職歴等もある程度把握していると思いますので、本人の過去に勤務したことのある業種に絞り込んで聞き込みを行うのも一つの手段かと思います。
本人の持っている資格や免許に関連する業種
家出人がもし資格を持っている場合、特に国家資格などその資格がないとその職に就くことができないようなものを取得している場合には、その資格に関連した仕事を探している場合もあります。
また、車の免許等についても同様かと思います。
例えば、看護士資格を持っている場合は病院関連、介護福祉士資格を持っている場合には介護施設等への就職が想定できます。
また運転免許の場合、普通二種免許であればタクシー会社等、特殊免許であれば建設関連の会社などある程度絞り込んで聞き込みを行うことができます。
ただし、一つの資格や免許で一つの業種にしか就くことができないというわけではありません。
例えば、大型二種免許を持っていればバスの運転もできますし、大型トラックやタクシー、ハイヤー、代行運転、小型マイクロバス等さまざまな運転ができますので、それに応じて、バス会社、タクシー会社、観光会社、代行運転会社など複数の職種を想定する必要も出てきます。
わけありでも比較的受け入れてくれる業種
就職難の現在、家出人のように住所が定まらず、わけありの人間をそう簡単に雇ってくれる企業も少ないかとは思いますが、それでも比較的そのような人でも受け入れてくれる業種が昔からいくつかあります。
例えば、パチンコ店、タクシー会社、新聞販売店、旅館の仲居さん、水商売、風俗店等々です。
これらに共通している傾向としては、寮などが完備されていて住み込みで働けるということ、そして、従業員の入れ替わりが激しく常に募集しているという点です。
すぐに住むところを確保できるということは、家出人にとっては大きなメリットです。
いずれの業種も健全化を計っていますので、現在では以前ほど容易に採用されるとは限りませんが、特定地域での聞き込みにおいて、絞り込みの参考になるかもしれません。
その他、寮が完備されているという点では、地方の部品組み立て工場で働く期間工というのもありますので、そうした業種も探してみる必要もあるでしょう。