家出人探しにおいて、郵便物についてもさまざまな手がかりが得られます。
家出時にすでに本人の部屋や机の引き出しなどを探し、出てきた郵便物は、ハガキや封書、年賀状、各種請求書や利用明細書、ダイレクトメールに至るまで、一つ一つ丁寧に調べます。
年賀状などは、交友関係がわかる手段の一つですし、聞き込み等にも役に立ちます。
中には消費者金融等の請求書等があれば、借金状況なども把握できます。
もし携帯電話等の通話明細等が紙で送られてきている場合には、通話先の特定にもつながります。
また、以前利用した施設等からのお礼や案内などが記されたダイレクトメールなどからも、立ち寄り先の特定につながります。
このように家出時に残っていた郵便物の確認も必要ですが、出て行ったあとに送られてくる郵便物も重要です。
家出当初は住所が定まらず、出先で何かの登録をする際に、元の住所に指定していることも多いので、出先で何かに登録した際の本人確認のための郵便物等が届くこともあり、足取りを探る手掛かりになる場合もあります。
郵便物の転送がされているかどうかを確認する
残された郵便物の確認とともに、家出直後にまず確認しておきたいのが、家出人が郵便局に対して自分あてに届く郵便物を新住所に転送してもらうよう依頼する「転居届」が出されているかどうかです。
転居届は家族と同居していて本人だけが家を出る場合でも、本人だけの転居届が行えます。
もちろん、突発的に家出をしたような場合には、このような転居届を出している可能性は少ないですが、もし転送されていれば、ある程度計画的に落ち着き先の住所も定まっているという判断できますし、それを念頭に探し方を考えねばなりません。
また、突発的で計画性が無い家出の場合でも、後々住所が定まって転居届の手続きを行うという可能性もありますので、まずは、転送されているかどうかを確認した方がいいかと思います。
確認するには、「郵便追跡サービス」を利用するという方法があります。
郵便追跡サービスとは、郵便局が行っているサービスで、出した郵便物が宛先に届けられているかどうかをパソコンやスマホ、携帯からリアルタイムに確認できるというサービスです。
このサービスを利用して、まず家出人の元の住所宛てに郵便物を出してみます。
この場合、普通郵便のハガキや封書ではダメで、ゆうパックや書留郵便などが対象となります。
ゆうパックを出した際のお客さま控えに記されている「お問い合わせ番号」、書留郵便等の控えに記されている「引受番号」を郵便局のサイト上で入力すると配達状況が確認できます。
これでもし、出した郵便物が宛先に届けば、転居届の手続きがなされているという判断ができます。
しかし、あくまで転送がされているということまでを確認できるもので、その転送されている住所まではわかりません。
おそらく郵便局に直接問い合わせても、家族や妻や夫という立場であってもその転送先の住所は教えてくれることはないでしょう。
転送先の住所を調べるには、やはり、家出人探しのプロである探偵などに依頼するほかないと思われます。