家出人探しにおいて、まず真っ先に、部屋の状況や部屋に残されたものなどから動機や足取りなどの手がかりになるようなものを探していく必要があります。
同居していた場合は、家出人の部屋を中心に家全体に手がかりがないか探していきます。
また、家族とは離れて生活していた場合は、管理会社等に協力を仰ぎ、部屋の中を見せてもらうようにしましょう。
まず、部屋を見渡してみて、普段に比べて比較的整理整頓されていたり、衣類が大量に持ち出されていたり、日常の生活に必要な家財道具や通帳、印鑑、カード類、健康保険証、運転免許証などが持ち出されているような場合は、ある程度計画性があり、なおかつ次の生活が決まっていることが想定できます。
反対に、部屋の状況が普段と変わらず、携帯電話や財布など普段肌身離さず持ち歩くようなものが残っていたり、家電製品が使用されたままの状態になっているといった場合には、突発的な家出、さらには事故や事件性、命に関わる事態を想定しなければなりません。
次に、部屋に残されたどういった物から手がかりを探していけばよいのかみてみましょう。
衣類
上述しましたように、衣類は持って出たものと残されたものを確認する必要があるでしょう。
持ち出された衣類は、今後、取材先で家出人の特徴を伝える上で必要になる場合もありますし、例えばスーツや仕事着が持ち出されているような場合は、就職する意思があること、場合によっては勤務先が決まっているのではないかという推測もできます。
また残っている衣類については、そのポケットの中をくまなく確認します。
名刺やメモ書き、店舗名が記されているマッチやライター、領収書やレシート等々、さまざまな手がかりが残されている可能性があります。
日記やメモ帳
最近はあまり日記をつけるという習慣も少なくなっているかと思いますが、もし日記帳があればその内容を読み、直前の家出人の心情などを把握します。
中には家出の原因につながる記述、自殺をほのめかすような記述、思い出に残っているような場所等々、家出人本人にしかわからない内容が書かれていますので、非常に重要な手がかりが詰まっていることがあります。
また、メモ帳にも簡単な日記をつけている場合もありますし、電話番号や人物名などの走り書きでも有力な手掛かりになりますし、アドレス帳がついているような場合には、交友関係などがわかります。
書籍や雑誌
普段から本をよく読む人の場合は、文庫本、単行本、雑誌等の中に、大事なメモ書き等を残している場合がありますので、一冊一冊ページを開いてそういったものがないかどうか探していきます。
それと併せて、おおよそでいいので、どういった内容の本なのかを確認しておくことは、家出人の普段の趣味嗜好、思想、信条などがわかり、今後探していく上で役立つ場合もあります。
また、雑誌類については、求人誌、旅行雑誌等、ページに折り目がついていたり、ページが切り取られていたり、丸印などでチェックされている箇所ないかどうか探していきます。
チェックがついている求人欄の会社を探したり、立ち寄り先など足取りを追っていく上で重要な手がかりになります。
ゴミ箱
ゴミ箱にもいろいろなメモ書き、領収書、直前に購入した商品の空き箱等、手がかりになるものが捨てられている可能性があります。
特に、発見されないように手がかりとなりそうなものを直前に処分していくということもありますので、家にあるゴミ箱以外にも、できれば集積場に出されているゴミ袋等の中身も調べてみるといいでしょう。
その他にも、家出人に関する以下のような物をポイントに調べていくといいかと思います。